二、OECD(経済協力開発機構)は、1998年4月27日から28日の閣僚理事会において、企業体がコーポレートガバナンス制度を執行する上での参考基準となるよう、次の5項目のコーポレートガバナンスの原則を打ち出しました。
三、OECD(経済協力開発機構)は、2002年の閣僚理事会において、2004年までに上記のコーポレートガバナンス原則について評価レポートを提出するよう求めました。1年あまりかけてパブリックコメントを集めた上で、OECDは2004年に次の6項目の新しいコーポレートガバナンスの原則を示しました。
| (一) |
取締役会の機能強化:
取締役会の構成員は忠誠、慎重、注意深い態度をもって、会社の利益を前提とし、会社の経営戦略、リスク管理、年度予算、業績の評価および資本支出の監督、合併買収や投資処分等の重要事項に関し、最善を尽くして職務に当たらなければなりません。同時に、会社の会計システムと財務報告の適正性を保証しなければならず、取締役会の構成員による会社を損なう行為や株主との間の利害衝突を避けなければなりません。取締役会はこのほかに、経営陣を慎重に選任して監督し、会社の事務について客観的に判断し、適任な内部監査責任者を選任して内部管理の有効性を保証し、弊害を防がなければなりません。公開発行会社は、定款の規定または管轄機関の要求に従い社外取締役を置くことができ、社外取締役が取締役会の決議事項について反対意見や意見の保留があるときは、取締役会はこれを議事録に記載しなければなりません。
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| (二) |
監査役(会計監査委員会)の機能の発揮:
公開発行会社は、会計監査委員会または監査役を置かなければなりませんが、管轄機関は状況に応じて、監査役に代えて会計監査委員会を設置するよう会社に命令することができます。監査役(会計監査委員会)は監督権を随時行使して、公平・透明・権利と責任の明確化という理念に則り、監査役(会計監査委員会)制度の円滑な運用を図らなければなりません。監査役(会計監査委員会)は、会社の財務業務事項を確実に監督するほか、必要があれば専門家である会計士や弁護士に監査事務を依頼したり、会社の上場・店頭登録申請時に証券取引所または店頭売買センターに対して関連事項を確認したり、また監査役(会計監査委員会)が補正・改善するよう会社に督促することで、後日株主の権利が損なわれることのないようにします。さらに監査役(会計監査委員会)は内部監査報告書を閲覧して、社内管理と内部監査の状況を捕捉することとし、公開発行会社が社外取締役を置く場合には、内部監査報告書を社外取締役にもあわせて提出します。会社を脅かす状況が起きても、監査役(会計監査委員会)が自主的に管轄機関と証券取引所または上場売買センターに遅滞なく通知すれば、弊害を未然に防ぐことができます。
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| (三) |
株主及びステークホルダー(利害関係者)の権利の重視:
会社は大株主も少数株主も公平に扱い、株主が進んで株主総会に参加し、取締役の選出や会社定款の変更等に積極的に参加することを奨励しなければなりません。また会社は、株主に適切で充分な質問と提案の機会を与え、抑制効果が発揮されるようにし、同時に株主にはいつでも、すぐに会社の情報を得られる権利と利益を享受する権利を与えなければなりません。さらにコーポレートガバナンスでは、ステークホルダーの利益を重視し、富と雇用の創造、財務の健全性の維持においてステークホルダーと積極的に協力しなければなりません。ステークホルダーが会社に資金を注入するような場合、会社は法により債務者としての責任を履行し、会社に財務的危機が生じないようにしなければなりません。
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| (四) |
情報開示の透明化:
「上場・店頭登録コーポレートガバナンス実務規則」第2条では、情報開示の透明性の向上がコーポレートガバナンスの原則のひとつに明記されており、会社はスポークスマン制度を確立するとともに情報公開システムを適切に利用して、株主とステークホルダー(利害関係者)に会社の財務状況とコーポレートガバナンスの実施状況を充分に知らせなければなりません。また、証取法第36条及び同実施細則第7条では、財務情報の開示と株主の権利への影響を強調しています。それは、財務情報の伝達には往々にしてコーポレートガバナンスの成果と効果が現れるものだからです。
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| (五) |
内部管理及び内部監査制度の確立と実行:
会社経営を健全化し、取締役会と管理陣が確実に責任を履行できるよう、会社は内部管理制度を確立、整備し、有効に実行しなければなりません。
監査役(会計監査委員会)は、関係規定に従い内部管理と内部監査を検査して実行状況を把握するほか、上場・店頭登録会社は自己評価作業を確実に行い、取締役会と管理陣も毎年、各部門の自己検査結果と監査部門の監査報告を検討して、社内監査報告書を作成して毎期ごとに主管機関に報告しなければなりません。
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| (六) |
優れた会計士と弁護士の選出:
専門家であり責任を負う会計士は、会社の財務状況の内部管理について定期的に検査する中で、異常や遺漏事項を発見したり具体的改善案や予防策を示すことで、コーポレートガバナンスの盲点を塞ぐことができるため、弊害防止というコーポレートガバナンスの役割を増進することができます。優れた弁護士は、適切な法律アドバイスを提供し、その協力によって取締役会と管理陣が基本的な法律の素養を高め、会社または関係者が法令に抵触しないようにする効果が期待できます。これにより、コーポレートガバナンスが法律の枠組みと法で定められた手続のもとで粛々と行われるようになります。また取締役会、監査役と株主との間に違法な衝突が生じたときは、適切な法的措置によりコーポレートガバナンスがその効果を発揮できるようになります。
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